固定ipの利用環境は?

実際に固定ipアドレスを取得・導入することでネットを利用する環境にどういった変化が生じるのか?導入を検討している場合はまず基本的な部分を知っておくことが大事です。
メリットだけでなくipアドレス管理が必要になるなどのデメリットもあるからです。
企業が導入を検討する場合、固定ipと動的ipを併用する選択肢もあるだけに重要なポイントとなってくるでしょう。

よくセキュリティ面が向上するといわれますが、これにはいくつかのポイントがあります。
まずVPNを構築することで社内システムに安全にアクセスできる環境を整えることができます。
またアクセスできる回線を固定アドレスのみに設定することで不特定多数の回線がアクセスするのを防ぐことも可能です。
そしてもうひとつ重要なのは万一不正アクセスされた場合、その相手を特定しやすくなる点です。

動的ipアドレスの場合、自動的にアドレスが割り当てられる形になり、このアドレスは時間が経過すると変更されることがあります。
ですから不正アクセスが行われたアドレスを使っていた回線も変更されてしまうことで特定することができなくなってしまうのです。
ipアドレスはネット上の住所のようなもの、とよく言われますが、動的ipアドレスは住所不定の相手を探すような状況になるわけです。
それに対して固定ipの場合は変更されることなく住所がはっきりとわかっているわけですから、ログイン履歴を確認することで不正なアクセスがないかどうかを確認することができるのです。

このように単に防ぐだけでなく、不正ログインを特定しやすく早めに対処できる点も固定ipの大きな魅力です。
ただその一方で便利な分コストがかかってしまうのが難点です。NTTのフレッツやocnなどで用意されている法人向けの固定ipのプランでは安くても月々数千円くらい、本格的な環境を整えようとすれば数万円程度かかってしまうことも珍しくありません。
快適と安全を引き換えにどれぐらいのコストをかけることができるか、よく検討しながら判断する必要があるわけです。